北海道で「鉄路からバスへの転換」にいち早く取り組み、象徴的な存在だった夕張市。全国唯一の財政再生団体でもある同市はいま、バスの運転手が減少し、公共交通のあり方が岐路を迎えている。打開策として、一般ドライバーが自家用車に有料で利用者を乗せる「ライドシェア」の導入も検討されるが、課題も多い。住民の足に何が起きているのか。 関連記事 運転手不足でバス路線廃止、全国で相次ぐ ライドシェアには賛否 海外では「市民の足」 ライドシェアを英国と中東で使ってみた 道都・札幌市から約70キロ、車で約1時間半運転すると、2007年に財政破綻した夕張市に到着する。23年11月末に訪れると、すでに市内は雪が降り積もり、かつて「炭都」と呼ばれた名残でもある、石炭の採掘時に捨てた石が積み上がった「ズリ山」は白く覆われていた。 夕張市は1960年には人口が約11万7000人に達し、国内有数の産炭地として発展したが、エネ