あらゆる産業のあり方を大きく変える可能性を秘めるAI(人工知能)。機械学習によって加速度的に賢くなるAIを、人類はどう使いこなすべきか。日本を代表する将棋の棋士とAIベンチャーのトップが未来を語った。 羽生善治氏(以下、羽生):1年前のCES(世界最大の家電見本市)でトヨタ自動車のブースに展示されていた機械学習による自動走行のデモンストレーションをビデオで見ました。交差点のような場所をミニチュアカーがぶつからずに行き交っていました。システムを作ったのがプリファード・ネットワークス(PFN)さんと聞き、いつかお話ししたいと思っていたんですよ。 西川徹氏(以下、西川):私と岡野原がコンピューターサイエンス関連の最先端技術を開発するプリファードインフラストラクチャーという会社を創業したのが2006年です。 岡野原は機械学習やAI(人工知能)を、私は処理スピードの速いコンピューターの研究を担当して