社長をやっていたとき、「有価証券報告書」っていうガチャポンのカード版みたいなのが株式市場の入り口にあった。 何を思ったのか俺は株主に「わが社は黒字だから利益バンバン」と言いに行った。株主は俺の株式を買ってくれた。 その資本の一部を自民党の郵政選挙でつぎ込んだかどうかはもう覚えてない。 翌日俺が六本木ヒルズに帰ると東京地検がマジギレしていた。一緒にいた同僚が司法取引したようだった。過去最大級の裏切りだった。 俺は裁判所で謝りにいかされた。狭い部屋に案内された。じきに30代位の店長らしき人がやってきた。 心臓が縮みきってマジ泣きしてるのをこらえる俺が泣き詫びるのを期待するかのように肩に手を置いて、その人は優しく声をかけてきた。 色々話していたが、その人は「あなたのすべてが否定されたわけではない。正直に自分の過ちを見つめなおしてやりなおしてほしい」と言った。 「君や私よりずっとつらい目にあった人
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