会社を辞めて立ち上げた個人事務所を「コトバ」としたことには、名前に重い意味を与えようとする意図はなかった。むしろその重さは、独立という緊張と不安の中では避けたいものだった。 長年の友人が占い関係に精通していて、いくつか社名案を出せば見てもらってやると言ってくれた。一世一代のネーミングである。普段の仕事以上に(ウソですよ)一生懸命考えた。それを友人が行きつけの占い師さんに取り次いでくれたのだが、最初の10案、全滅。「もう一回出してみようよ」。ええ、もちろん。「直接話してみたら」ということで、再提出後に電話で相談してみるということになったのだが、その10案、不首尾。「これとこれは、まあ小吉くらいなんですが、ヤマモトさんはその程度をお望みじゃないですよね」。こういうのはダメで、こういう方向が望ましいと教えてくれる。まるでプレゼンの戻しか再オリエンだ。結果的に最後となった10案を出した次の日に、友