台風19号が襲来した2019年10月12日夜、記者が住むマンションの全戸が停電した。多摩川の氾濫で1階にある電源設備が水につかりショートしたのだ。多摩川沿いに住んでいる以上、氾濫は覚悟していた。しかし停電に見舞われるとは考えていなかった。 そのまま2日間にわたり、記者は停電した自宅で過ごした。マンションの6階なので浸水の危険はなかったが、当時マンション一帯は冠水した被災地の真っただ中にあった。混乱し緊迫した状況にあって、助けになったのはいくつかのデジタル機器とUSBの電源だった。災害による停電はどこでも起こり得る。記者の経験を皆さんと共有しようと思う。 実はいきなり停電したわけではない。マンションの電源設備が1階にあることは記者を含め大半の住民が知っていた。多摩川から下水管を通じてマンション敷地に流れ込んだ水は徐々に水位を上げていった。台風襲来の12日夕方には「このまま水位が上がれば確実に