「ゲームのネガティブな面ばかりではなく、有効利用されている事例も知ってほしい」――デジタルゲームの国際学術会議「DiGRA2007」で9月27日、精神科医の香山リカさんらが、精神医療やリハビリテーションの現場でゲームを治療に活用した事例などを紹介した。 香山さんは1990年代半ばから20例ほど、精神医療でゲームを活用した治療を行っているという。「ゲームによってやればできるという自信がつくことが重要なポイント」と香山さんは語る。 例えば、対人恐怖で「引きこもり」だった女性のケース。家族に勧められWiiのスポーツゲームを始めた女性は、ゲームが上達するにつれて家族から評価されることが自信につながり、顔の表情が徐々に明るくなった。その後は、アルバイトに出かけるまでに回復したという。 また、相手の気持ちを想像するといったコミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群患者の男性は、友人ができないことに悩