職場でのパワハラや長時間労働による未払い残業があったとして、東京都内の不動産賃貸仲介会社の元従業員の20代男性が2月12日、慰謝料と未払い残業代計367万8175円の支払いを求め、東京地裁に裁判を起こした。提訴後、男性は、代理人の弁護士とともに厚生労働省の記者クラブで会見を開き、LINEなどを通じて上司から受けたというパワハラの実態を告白した。 ●どれだけ残業しても残業代は「固定」だった 会見内容や訴状によると、男性は、2014年5月に新卒として入社し、東京都内の店舗に営業職として配属された。「日本で一番、人を大切にする会社を創る」という社長のビジョンに惹かれて入社を決めた。しかし、現場で体験したことはビジョンとかけ離れており、入社からわずか2カ月で退職を余儀なくされたという。 男性が直面したのは、過酷な長時間労働だった。同社の求人票には、就業時間は9時15分から18時30分までと書かれて