2008年2月12日 田中 宇 記事の無料メール配信 アメリカ大統領選挙は、二大政党の予備選挙が進み、共和党はジョン・マケインへの一本化が進み、民主党はバラク・オバマとヒラリー・クリントンの接戦が続いている。次期大統領はマケイン、クリントン、オバマのいずれかになる可能性が大きい。 民主党では、全般的に見て、オバマが草の根の支持、クリントンがエスタブリッシュメント(政財界)の支持を集めてきた。2人は、政策内容にはそれほどの違いがないが、オバマは黒人が集まるアメリカ南部のキリスト教会の礼拝での説教師の手法を会得し、聴衆に希望を持たせる前向きなキーワードのリズミカルな繰り返しによって、演説を聞いた人々を感動に引き込み、支持を広げている。オバマに比べてクリントンは演説が下手だが、夫のビル・クリントン前大統領の政権に関与して以来の国家政策立案の経験を宣伝し、オバマを空想屋だと批判して対抗している。(
ブログ・オブ・ウォー 僕たちのイラク・アフガニスタン戦争 スポンサード リンク ・ブログ・オブ・ウォー 僕たちのイラク・アフガニスタン戦争 日本のマスメディアにはほとんど登場しない、米軍兵士の生の声が読める同時代の秀作。 「全米「ブログ・アウォード」ベスト・ミリタリー・ブログ賞を3年連続で受賞した人気ブログ「Blackfive」。そのBlackfiveに寄せられた多数のブログから63のエピソードを厳選して収録!戦地の生活、仲間の死、現地民間人との交流……兵士たちは実際に自分が目にしたことや体験したことを、あるいは祖国に待つ家族や恋人たちへの思いを、自らの言葉で語っている。 」 米国のブログにはミルブログ(ミリタリー・ブログ)というジャンルがある。この本はそうしたミルブログのポータル的人気サイトBlackfiveに寄せられた戦争体験記である。 ・Blackfive http://www.bl
双風社 2007年11月 著者の赤木氏は1975年生まれであるから32歳、「論座」の今年1月号に「『丸山真男』をひっぱたきたい ― 三十一歳、フリーター。希望は、戦争」という論文を発表して注目されたひとらしい。論文のタイトルにもあるように、いわゆるフリーターとして働きながら自分のウェブサイトに意見を書いていたところを注目されたということのようである。 一読して感じるのは、論理的な思考ができ、まとも文章を書ける能力がある著者のようなひとがなぜ組織の中に入って「正社員」として働くことができず、フリーターを続けていることになってしまっているのだろうか、ということである。氏はけっして執筆することを優先してフリーターであることを選んでいるのではない。 氏は子どものころから社会との「ズレ」を感じていたという。小学校のころから問題児で、高校にいくころにはまったく勉強する気になれず、ほとんど不登校のように
『本日の水木サン』より 「戦争中の話だが、敵のいる前線に行くために、「ココボ」という船着場についた。ここから前線へ船が出るのだ。そういうところには必ずピー屋がある。ピー屋というのは女郎屋のことである。(中略)ピー屋の前に行ったが、何とゾロゾロと大勢並んでいる。日本のピーの前には百人くらい、ナワピー(沖縄出身)は九十人くらい、朝鮮ピーは八十人くらいだった。これを一人の女性で処理するのだ。僕はその長い行列を見て、一体いつできるのだろうと思った。一人三十分としてもとても今日中にできるとは思われない、軽く一週間くらいかかるはずだ。しかし兵隊はこの世の最期だろうと思ってはなれない、しかし・・・・・いくらねばっても無駄なことだ。僕は列から離れることにした。そして朝鮮ピーの家を観察したのだ。ちょうどそのとき朝鮮ピーはトイレがしたくなったのだろう、小屋から出てきた。 (彼女がナニカを排泄する様子の描写)
昭和30年代の暗黒史特集を今月の「映画秘宝」に書いたが、残念ながら字数の都合上漏れてしまった凄まじい事件がある。今日は一つ紹介したい。 昭和32年(1957)の有名な出来事にジラード事件というのがある。若いGIが面白半分に日本人のおばちゃんを追い駆けていってハンティングしてしまったという凶悪事件だ。で、なにしろアメリカ兵なので、ムショにも放り込まれずアメリカに帰ってしまい、日本人大激怒となったのだが、そのあたりはぜひ今月の映画秘宝誌を読んでいただきたい。だが同年にはもっとひどい事件が起きている。 8月、茨城県の米軍飛行場から500メートル離れた地点でちゃりんこに乗っていた日本人女性の身体が胴体のあたりから真っ二つに裂かれた。同様に女性の息子である20代男性も腹部に重傷を負った。飛行場から飛び立ったL22連絡機の翼が彼女らに衝突したのだ。米軍は猛暑による熱気流で起こった不可抗力の事故と主張し
絵ロ具。 IF LIBERTY MEANS ANYTHING AT ALL, IT MEANS THE RIGHT TO TELL WHAT THEY DO NOT WANT TO HEAR ---GEORGE ORWELL
防衛省の守谷元事務次官の逮捕により、日本にも防衛利権という巨大な闇が存在することが次第に明らかになってきた。そもそも我々は防衛政策に対して余りに純粋無垢であり過ぎたのではないか? そもそも近代において戦争とは利権そのものであり、それに比べれば、戦後日本の道路利権や土建政治の話などかわいい問題に過ぎない。それなのに戦後の日本人は防衛問題を崇高なイデオロギー問題に祭り上げてしまった。そして道路族の族議員などを手垢に塗れた利権政治家と蔑む一方、防衛族議員を日本の国家のあり方を考えていらっしゃる崇高な政治家であるかのように一目が置かれていた。ここで明らかになったのは、防衛族も道路族と同様の利権政治集団であり、実際はかなり醜悪であるということである。 そもそも現代行われている戦争は例外なくすべて利権であり、それ以上の崇高な理念など存在しない。ただそのような意見を言うものをすべて「サヨクだ」と切り捨て
ブラックウォーター事件は、日本でまったく取り上げられていないわけではないが、米国での扱いに比べると小さい。少なくとも大手紙の社説では取り上げられていない。日本の問題ではないということかもしれない。数日前赤旗でべた記事を見かけたが、日本のいわゆる平和勢力による論評もあまり見かけない。ニュースの引用に一言コメントというタイプのブログでは、ブラックウォーターが悪いのは当たり前で別段今回の問題は取り上げるほどでもないといった印象も受ける。もちろん、そうしたことは私の印象に過ぎず間違っているかもしれない。いずれにせよ、私はこの事件は重要だとも思うので時代のログとしてメモをしておきたい。 ブラックウォーターは戦闘地域などで米国関連の要人の警護や輸送を行う民間警備会社だが、実態からは傭兵と見てよいだろう。イラクでの活動が目覚ましい。ウィキペディアでは、「民間軍事会社」(参照)とし、粗っぽく記載している。
「論座」という雑誌に「「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」「けっきょく、「自己責任」 ですか 続「『丸山眞男』を ひっぱたきたい」「応答」を読んで」という赤木智弘さんによる2本の論文が載り、話題となりました。 若年貧困層の現状と展望について書かれたこの論文は、刺激的で心情的に理解できるところのあるものでしたが、私はなんとも言えない違和感を持ち、一定の理解はできても賛同はできませんでした。 しかしchaturangaさんのエントリー「希望は、赤木智弘?」(チャトランガ夫人の恋人)を読んでその違和感がかなり晴れたので、私なりにこの「赤木論文」について思うところを書いてみたいと思います。 ちなみに、私はweb上に公開された2本の論文を読んだだけで、赤木さんのブログなどはほとんど読まずに書きます(「論座」に掲載された「赤木論文」に対する反論も)。それ以前の、フェミニズム
7月末の参院選で自民党が惨敗してもぜんぜん喜べずに鬱になり、今回の安倍退陣でもそれ自体は喜ばしいことでも先を考えるとぜんぜんうれしくなくて鬱になる。こんな日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。あ、私はちゃんと犬などを見て癒されておりますが。 あ、さてこちらは9月16日のハンギョレに掲載された高橋哲哉教授のコラムです。安倍が退陣しても、日本の右傾化の流れは止まっていないという警告を発しておられます。あぁ、これだなぁ、息が詰まりそうな気がしてしまうのは。 安倍退陣と日本の右傾化/高橋哲哉 安倍晋三首相が退陣を表明した。その辞任方法は、あまりにもひどいものだった。彼は7月末の参議院選挙で「私と小沢(民主党代表)、どちらが総理にふさわしいかを判断する選挙」だと大声で叫び、戦った。そして歴史的惨敗をすると「政策は間違っていなかった」と強弁し、辞任を拒否した。第二次安倍内閣を発足させたが、農林水産相が
今年の初め、『論座』界隈で話題になった「『丸山眞男』をひっぱたきたい」というエッセイが単行本になり、10月に出るそうだ。タイトルは『若者を見殺しにする国』(双風舎)。そこで遅まきながら、ウェブに出ている当のエッセイを読んでみた。 筆者は赤木智弘、31歳のフリーター。いろいろ出ている若者論の類よりもはるかに本質的に、現代の若者の置かれた状況をとらえている。タイトルの「丸山眞男」にひかれて丸山論かと思って読んだ人も多いだろうが、内容は丸山とは関係なく、比喩として使われているだけだ。しかしよく考えてみると、ある種の戦後民主主義批判になっている。内容はリンク先を読んでもらえばわかるが、ごく簡単に要約すると、こういうことだ:最近の「格差社会」とか「ワーキングプア」のような議論は、当事者である私からみると嘘っぽい。メディアでは富裕層と貧しい労働者の格差が問題にされているが、本当に深刻なのは労働者の中
少しデリケートな問題だと思いますが、書いてみます。バブル崩壊後の1995年に、テレビCMのゴールデンタイム放映が解禁され、消費者金融のテレビCMは、一気に人気テレビCMに躍り出ました。しかしながら、様々な問題のため、現在では、朝の時間帯とゴールデンタイムは放送できなくなって、深夜枠も本数が制限されるようになってきました。また、ビルの大型看板などの自主規制が検討され、業界自らが「ストップ!借りすぎ」キャンペーンを実施するなど、以前のような宣伝合戦は鳴りを潜めてきているようです。大方の流れは、消費者金融のマス広告を制限していく方向になっているのは事実だと言えそうです。 しかしながら、いわゆる銀行系のローンなど、新しい消費者金融サービスの進出で、結果としては、世の中のノイズ量ではあまり変わらないような気がします。 私自身は、消費者金融は世の中に必要とされているものだとは思っています。警察が必要で
サンフランシスコ講和会議の際に日本より被害を受けたと述べた国はたくさんありましたが、日本のおかげで独立したという国は一国もありませんでした。 【サンフランシスコ講和会議でのアジア諸国の態度】 ■1988(昭和63)年5月24日 第112回国会 参議院外務委員会 第10号議事録 政府委員(外務省条約局長):斉藤邦彦 参議院議員:吉岡吉典 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/112/1110/11205241110010c.html (一部抜粋) 吉岡吉典:サンフランシスコ講和会議(*1)でアジア諸国が、幾つもの国が日本の侵略を厳しく糾弾する演説をやっている問題なんですね。私、事前にこれに関連して質問するということも通告しておきましたので、どういう国が日本の過去の侵略について厳しい批判を行ったか、外務省の方から述べていただきたい。 政府委員:サンフラ
半年くらい前だったか、左派系教師サークルの内輪勉強会で講師みたいなことをやった。その時、彼らが例えば全国学力テストを「戦争のできる国づくり」と批判していたので、「説得力もリアリティもないし、世間では理解されないから、もっと身近な訴えの方が良いのでは」というような苦言を呈した。 ただ、安倍晋三さんが政権を執って以降、安倍さんとその周辺が、「戦争のできる国づくり」にリアリティを与えているように思える。その結果が最近の護憲論の復調(?)とか、新しい参院では<参院「改憲派」、3分の2を割る>につながっているのではないかと感じてきた。 ネオリベ的ゆとり教育<限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです@三浦朱門さん>や学テが、例えば武器輸出を解禁したかったりする財界の要請を受けたエリート選抜であるとかなんとかは、まぁそれほど無関係ではないし、そもそも格差社会と
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