壁が撤去され、骨組みがむき出しになった客室で、状況を報告し合う鈴木さん(右)と管野組合長=相馬市・トモエ屋旅館 福島県沖を震源として最大震度6強を観測した地震は16日、発生から1カ月を迎える。住宅被害は一部損壊、全半壊合わせて1万棟を超えた。被災者の避難所生活は長期化し、相馬市では14世帯19人が不自由な生活を余儀なくされている。度重なる災害で観光など産業への影響も深刻化している。 観光地・相馬市松川浦周辺にある旅館のほとんどは休業のまま。再開の見通しは立っておらず、経営者は不安を隠さない。 「今回の被害は桁が違う。お風呂が直れば、使える部屋だけで営業を再開したいが、5月の連休にはとても間に合いそうにない」。トモエ屋旅館の鈴木よし子さん(64)はため息を漏らす。昨年2月の本県沖地震では壁などに被害を受け、数カ月の休業後に宿泊客を迎え入れた。それから1年もたたずに起きた地震。浴場のボイラーや