先日このコラムで「指定管理者制度」について紹介した。自治体が所有するスタジアムをホーム球場にしていた球団は球場使用料という重い負担のために長い間、極めて厳しい球団経営を強いられていたのだが、指定管理者制度が作られて、そこについに風穴が開けられたというのが、そのコラムの主旨だった。 そして2006年、NPB球団で初めて本拠地球場の「指定管理者」になったのが千葉ロッテマリーンズだった。千葉ロッテの執行役員・事業本部長として「指定管理者」移行を推進したのが、現株式会社スポーツマーケティングラボラトリー(スポラボ)代表取締役の荒木重雄氏だ。 荒木氏に「指定管理者」導入の経緯を聞いた。 興行成立のためには不可欠な球団と球場の一体経営 「『指定管理者』という制度の存在を聞いたのは、2004年、千葉ロッテに入社する前でした。当時、私は東京大学で開かれていたスポーツマネジメントスクール(SMS)に通ってい