読売日本交響楽団が所蔵している音楽書、楽譜のコレクションを順次紹介。南葵音楽文庫は、読売日本交響楽団が所蔵している音楽書、楽譜のコレクションです。約2万点の資料のなかには、作曲家自筆の楽譜やインキュナブラとよばれる初期の印刷本といった貴重資料も含まれています。もともとは紀州徳川家16代当主徳川頼貞が私財を投じて麻布飯倉の敷地に建てたわが国初の音楽専用ホール「南葵楽堂」(1918年落成)に併設された音楽図書館でした。 頼貞はイギリスの音楽研究家カミングズの蔵書の一部を購入、また積極的に図書、楽譜を収集しました。しかし関東大震災(1923年)により建物は大きく損傷し、図書館活動は次第に休止せざるをえませんでした。幸いコレクションは大きな散逸を免れて継承され、1967年には読売新聞社主催により「南葵音楽文庫特別公開」展が開催されました。読響は、貴重資料をデジタル化して保全するとともに、コレクシ