長年さまざまな本を音訳する奉仕活動を続け、現在は基山町園部のケアハウスあおぞらで暮らす橋本ゆかりさん(97)が17日、県立点字図書館(佐賀市)に巡回車を贈った。車は、点字図書館に直接行けない視覚障害者らに点字・録音図書を貸し出すため、県内を駆け回る。 橋本さんは1972年の点字図書館開館と同時期に朗読図書制作を始め、図書館や自宅のあった鳥栖市などで40年近く音訳や校正などに携わり、視覚障害者の“目”となって読書の楽しさを伝えた。ボランティア組織も結成、後進も育成し、2009年には緑綬褒章を受章している。今春、患った病気から回復したことを機に、「何か役立てれば」と巡回車の寄贈を決めた。 点字図書館は県内約80人を対象に巡回し、貸し出しや郵送もしている。現在使っている巡回車は10年が経過し、買い換えの検討時期を迎えていた。 新しい巡回車はワゴンタイプ(約200万円相当)で「あすなろ号」の名前も