第6321回は、「燃えつきた地図 安部公房原作・脚本 勅使河原宏監督 感想、ストーリー、ネタバレ」(1968年)です。カラー作品です。自動車の型式の古さは気になりますが、街角の光景は、現在見直しましても違和感はありません。半世紀近く経っても、意外に変わっていない生活感に驚かされます。 上映時間2時間の映画なのですが、シーンのつなぎが気になった作品です。妙に間延びしているのです・・・・。内容的には、マクドナルドとかチャンドラーの系譜につながるハードボイルドになっています。もちろん安部公房作品ですので、主人公に待ち受けるのは不条理という真実です。 劇中で、「なんで探偵なんかになったの?」、依頼者(市原悦子さん)から聞かれています。「最も職業らしくない職業だから」、探偵(勝新太郎)はそう答えています(ハメットの作品にも通じる名無しの探偵です)。 興信所に勤める探偵が担当した事件は、30代サラリー