着実に進むバイデン米大統領の「価値観外交」。中国への影響は 「専制主義国家vs民主主義国家」の構図は世界に何をもたらすか? 田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授 バイデン米大統領が「価値観外交」を着実に進めている。第1幕はQuadの初の首脳会議(3月12日)と日米首脳会談(4月16日)での足場固め。続く第2幕はヨーロッパに足を運び、イギリスでの主要国首脳会議(G7サミット、6月11~13日)と欧州との協調体制の再建。まずは順調に成果を上げていると言っていいだろう。この外交が今後も成功裏に展開することを強く期待する。 サミット首脳宣言に不快感を示した中国 台湾海峡や新疆ウイグル自治区の人権などに触れたG7サミットの首脳宣言は、中国にとって想定以上に厳しいものであったのだろう。直後の14日には、記者の質問に答える形式で「新疆ウイグル自治区、香港、台湾などの問題で事実をねじ曲げ、中国にひどい
