政党紙配布判決 公務員の中立を乱さないか(12月8日付・読売社説) 法的に禁じられている国家公務員による政党機関紙の配布について、最高裁は、場合によっては罪に問われることはないとの判断を示した。 国家公務員の政治活動の範囲が、なし崩し的に広がらないか、懸念が拭えない判決だ。 過去の衆院選で、共産党機関紙の号外を休日にマンションなどに配布したとして、元厚生労働省課長補佐と元社会保険庁職員が国家公務員法違反に問われた。 最高裁は、元厚労省課長補佐を有罪、元社保庁職員については無罪とする判決を言い渡した。 国家公務員法は、職員の政治的行為を制限し、それに基づく人事院規則が、政党機関紙の配布を明確に禁じている。 判決がまず、国家公務員について、「政治的に公正かつ中立的立場で職務の遂行に当たることが必要」と指摘したのは当然だ。 だが、その先の最高裁の判断には疑問符が付く。 今回の裁判で、最高裁が重視