安倍首相は続投のようである。 「厳しいご批判を頂いたので、このまま職責を全うすることで負託された使命を果たしたい」という、企業不祥事を起こした会社の経営者が「最初の記者会見」で必ず口にする台詞を首相も繰り返した。 不思議なロジックである。 「不思議」というのは「不合理」ということとは違う。 仕事に失敗したときに、その場から逃げ出さす、踏みとどまって批判の十字砲火の下で引き続き仕事をするという選択は「あり」である。 「あり」どころか、場合によっては、それなりに自負心のある人間にしか下せない勇気ある決断と申し上げてよい。 しかし、これが「勇気ある決断」として称揚されるためにはひとつだけ条件がある。 それは「この決断を下した人はこれまで高い確率で正しい決断を下し続けてきたので、この『勇気ある決断』もまた正しい決断である蓋然性が高い」という外部評価が存在することである。 失敗を咎められた人間が「引