世を去ってなお、愛され続けるパンダがいる。神戸市立王子動物園のタンタン(旦旦)だ。2024年3月31日に28歳、人間で言えば100歳近くで病死した後、神戸市長や在大阪中国総領事らも参加して追悼式が開かれ、ファンからはたくさんの花束やメッセージが届けられた。穏やかな性格とかわいらしい姿から「神戸のお嬢様」とも呼ばれたタンタンの人気の秘密は何だったのだろう。16年にわたって世話をしてきた飼育員、梅元良次さんに聞いた。 ──タンタンは2000年につがいとして神戸に来て、24年間を過ごしました。世を去って半年過ぎて私が訪ねたときにも、獣舎で手を合わせている方に何人も会いました。死後も動物園が発信するSNSなどにも高い関心が寄せられています。なぜでしょうか。 全国から約6000の献花があり、タンタンをしのんで多い日は1万人以上が足を運んでくれました。年齢層も幼稚園からお年寄りまで幅広い。亡くなってな
