50歳前後の結婚「アラフィフ婚」がじわりじわりと増えている。出産育児を想定せず、男女とも余生を見据えているのが特徴だ。 雇用均等法第一世代やバブル世代に当たるこの年代は、育児と仕事の両立が今よりずっと困難で、寿退社や女性の年齢=クリスマスケーキ論がまかり通った時代を生きてきた。仕事や介護が背景にあったり、何となくだったり、独り身だった理由はそれぞれだが、後半の人生を共にするパートナーを見つけ、歩み始めている。(ライター・滝川麻衣子) ●きっかけは入院 今年の1月に入籍した藤本香さん(49)=仮名=が結婚を本気で考えたのは、子宮筋腫の発覚がきっかけだった。アパレル業界で長年働く藤本さんは、柔らかな声が印象的な鈴木京香似の美人だ。 病気が見つかるまでは、現場の教育係として全国を飛び回る日々を過ごしてきた。しかし、手術と療養のために1カ月の休職をすると、立ち止まらないわけにはいかなかった
