第1節 中小企業の後継者不在が経済に与える影響 第1章の第3-1-12図で見てきたように、中小企業における代表者の平均年齢は年々高まる傾向にある。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が行った「「事業承継」「職業能力承継」アンケート調査 」1(以下「承継アンケート」という)によれば、経営者が引退したいとする年齢は、平均64.5歳である。55歳以上の経営者では65.1歳、55歳未満の経営者では61.9歳とそれほど大きな差は見られず、概ね60歳代が中小企業経営者の考える引退年齢であることが確認できる。一方で、第1章で述べたとおり、2004年の法人企業代表者の平均年齢は約58歳6ヶ月となっており、経営者が引退したい平均年齢(64.5歳)との差は数年ほどしかない。高度成長期に20歳代から30歳代で大量に創業した経営者世代が、現在一斉に引退時期へさしかかっていることが推定される。 1 2005年