トヨタ自動車の昨年度の有価証券報告書によると、従業員の給与は前年に比べて1・5%足らずしか増えていないのに、役員報酬や株主への配当が増えた結果、社長の年収は1・6倍に増えていることがわかりました。ホンダの場合は、従業員の給与は減っているのに、社長の年収は18%増となっています。「アベノミクス」の恩恵を誰が受けているのかを、はっきり示すデータです。 自動車業界は、エコカー減税の効果などで国内販売が好調だったのにくわえて、円安の進行によって海外での利益が円換算で増加したことで、軒並み利益を大幅に増やしており、大企業の中でも、「アベノミクス」の恩恵を最も多く受けた業界といえます。トヨタ自動車の場合には経常利益が前年度の37倍、ホンダも5倍近くに増えています。(表参照) ところが、従業員の給与はほとんど増えていません。トヨタの場合は1・5%足らずの増加にとどまり、ホンダは逆に減ってしまっています。