ついにレストランまで開業したタニタの社員食堂。火付け役となった『体脂肪計タニタの社員食堂』は、続編を含めて472万部のベストセラー。印税は5億円に達する計算だ。しかし、著者プロフィールに名を連ねる担当栄養士さんには印税が1円も入っていないとか。いったいどうしてなのか。 まず押さえたいのは、レシピは著作物として認められにくいという点だ。著作権には、事実、アイデアは保護せず、表現のみを保護するという原則がある。レシピのうち分量や手順については、表現の余地がほとんどなく、事実そのものといっていい。斬新な調理方法など、料理のアイデアも保護の対象外だ。 ではレシピ本はどうなのか。著作権に詳しい野口祐子弁護士は次のように指摘する。 「同じ分量や手順でも、個人的なコメントを入れたり、イラストや写真を加えていけば、10人いてみんなが同じ表現になることは少ないですよね。そうなるとレシピも表現の一つといえます
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