<おおさか発・プラスα 文化> 橋下徹大阪市長が府立中之島図書館(大阪市北区)を廃止して建物を美術館などに転用する意向を今年6月に示した。大阪を中心に、関西の図書館事情はどうなっているのか。古典籍とビジネス書に特化した中之島図書館と、都道府県立で日本一の蔵書数を誇る大阪府立中央図書館(東大阪市)などを取材した。【鈴木英生】 ◇商都の文化を体現 府立中之島図書館は、大阪市役所と市中央公会堂に挟まれた一等地に建つ。橋下市長は「あそこに図書館(を置き続けるのは)どうなんだ」と言う。しかし、図書館関係者は口々に「あの図書館は、西日本全体の知のシンボル。大阪の中心にあることに、効率性では計れない重大な意味がある」と強調している。 同図書館は、日露戦争開戦直後の1904年2月に開館した。住友銀行(現・三井住友銀行)の設立者である15代目住友吉左衛門が20万円(今の価値で約16億6000万円)で建て、府