大都市での私立校人気は不動でも、全国的に公立校への回帰が強まる高校入試。長引く不況で学費を抑えたいという心理が広がるほか、東大など難関国立大への進学実績を残す公立校が増えていることも背景にある。47都道府県別の偏差値上位ランキング計299校を参考に専門家が受験事情を分析。2012年の特徴と傾向を解説する。 日本最大級の高校受験サイト「高校受験ナビ」(運営会社ジーナス)の都道府県別偏差値ランク=表をみると、首都圏、関西圏では私立校が上位に陣取るものの、地方の大半は公立校が頂点に立っている。 全国4901校の大学進学実績を調査する出版社「大学通信」(東京都千代田区)の大野香代子編集長はこう解説する。 「地方では、地元政財界を地域の公立トップ校出身者が占める場合が多く、出身大学より高校が重視されるところが多い。自治体ではその公立校に優秀な教員、生徒を集中させて高い大学進学実績を維持する傾向