福島第一原子力発電所の汚染水漏れ問題は、非常に深刻な状況になっています。この問題には、同時平行的に発生している3つのトラブルが相互に関連しているのですが、これらが混同されて報道されているため、情報が錯綜しています。現在得られている情報をもとに、福島原発で起こっていることを整理してみましょう。 [図表] 原子力発電の割合はどれくらい? 3つのトラブルが重なる 汚染水漏れの問題は、(1)汚染水タンクからの水漏れ、(2)地下貯水タンクからの水漏れ、(3)地下水の流入、の3つに大別することができます。 (1)は汚染水を貯蔵する地上タンクから汚染水が漏れ出ている問題です。このタンクは、原発内で発生する様々な汚染水を貯蔵する目的で作られたものです。このうち複数のタンクから高レベルの放射能を持つ汚染水が約300トン外部に漏れていることが明らかになりました。その一部は海に流出したと見られています。 (2)