「多くのコストを投じても、情報漏洩を完全に防ぐのは難しい」——。情報漏洩の対策に取り組む企業の多くは、こう実感しているのではないだろうか。 認証基盤の整備、暗号化ソフトの導入、シンクライアントの導入など、企業が情報漏洩対策として選択できる手法は数多い。しかし、どの手法も、企業の漏洩対策全体の一端を担う、という性質のもの。企業は複数の手法を取り入れて、漏洩のリスクをできるだけ減らしている、というのが実情だ。 そんな中、にわかに注目されているのが、「フォレンジック」である。フォレンジックとは一般に、情報システムが持つさまざまな情報の中から、法的に有効な証拠になるような形で、不正や漏洩の痕跡を抽出・分析する手法をいう。欧米では「フォレンジック」というと、犯罪捜査のイメージが強い。しかし日本では、フォレンジックの手法を使って企業の実態を速やかに調査・分析できるようにすることで、情報漏洩を招く軽率な