【北川慧一】パナソニックは27日、国内で唯一、兵庫県尼崎市の工場で続けてきたプラズマパネル生産を終えた。デジタル家電の稼ぎ頭と位置づけてきたプラズマの火が消えたことは、パナソニックが消費者向けから法人向けへと事業の軸足を移していることの象徴でもある。 尼崎工場ではこの日午後5時から、従業員ら150人が集まって式典を開いた。生産子会社であるパナソニックプラズマディスプレイの白土清社長は「世界初となる数々の商品を世に送り出せたことを誇りに思う」とねぎらった。 ディスプレイ社は2014年度中に会社が清算される。パナソニック本体からの出向者を除く生え抜き社員約250人は来年3月までに退職し、新たな職探しを迫られる。早期退職に応じた退職金の上積み額は数十万円にすぎない。 パナソニックが数百人規模の子会社社員を、配置転換をせずに雇用をやめるのは、福井県と鳥取県のモーター製造子会社を閉鎖した03年以来と