15日、1週間余りの大長征を終えた李世ドル(イ・セドル)九段は虚しい表情だった。この日ソウル光化門(クァンファムン)のフォーシーズンスホテルで開かれた最終局で彼は、280手の末に中押し負けし1対4でアルファ碁に最終勝利の席を譲った。閉会式などの行事を終えて兄のイ・サンフン九段らと酒の席を囲んでいた彼に単独で会った。酒の席は午後8時から12時まで続いた。 李九段は4時間中ずっと「第5局に負けて恥ずかしい。囲碁で飯を食っている、囲碁が仕事である人間が、人間的感情を徹底的に排除して碁を打たなければならなかったのに、それができなかった」として自ら叱責していた。「ほかの人々は私を人間的だというが、それは冷静な勝負の世界では話にならない声であり、人間的であることがかえって弱点」とも語った。 また「私が私を超えななければいけないのにそれができなかった。だが、それは私の限界であって人間の限界だとは思わない