「貧しい者が国のうちから絶えることはないであろうから、私はあなたに命じて言う。「国のうちにいるあなたの兄弟の悩んでいる者と貧しい者に、必ずあなたの手を開かなければならない。」(申命15:11) 今野氏のこの本は、大佛次郎論壇賞を受け、流行語にもなった『ブラック企業』出版から1年も経たないうちに出された力作です。図表を駆使しての内容や解説は非常に明快で、すらすら読めます。ところが内容が深刻なので、実際には、今野氏も味わった「恐怖」を追体験しながら、恐る恐る読み進めてゆく感じになるでしょう。 この生活保護、貧困者の最後のセーフティネットと呼ばれていますが、実態はひどく、それを受ける人へのバッシングが極めて強く、受けようとしても二の足を踏んでしまう事が、読んでみてよく分かります。 高額所得者の芸能人の母親が生活保護を受給していた事実が明るみに出ると、片山さつき議員を始め、マスコミが一斉に非難攻勢