「もの言わぬ記者」と評されては……(1/3) <大臣も大臣ならば 記者も記者><ウルサイ!に 酩酊にもの言わぬ記者>――。いずれも「朝日川柳」で選外になった句だ。 私は川柳欄の選者も務めている(選者名・西木空人)。1日平均2000句という膨大な投句がメール、ファクス、はがきで寄せられるが、投句者のみなさんの鋭い批評眼にしばしば感服する。「野に遺賢あり」(民間には有能な人物が埋もれている)なんて語句が頭をよぎったりする。 最近目立つのは、記者の報道姿勢に対する注文句が増えたことだ。 冒頭に掲げた最初の句は、中川前財務相のローマでの言動をめぐるものであり、2句めは森元首相が追いすがる記者たちに罵声を浴びせた場面(と中川問題)である。 私が社会部の現役記者だったのは30年も昔のことだ。当時は、首相会見などごく一部を除いて、記者会見の映像はほとんど放映されなかった。まして総理のぶらさ