ウェブやケータイが日常的なツールになっていった00年代は、情報社会論が再注目されたディケイド(10年期)でもあった。中でも、多くの論者が注目し、論を研鑽している概念の一つが「アーキテクチャ」である。道徳や法規制とはまた違い、環境的・工学的なアプローチによって、人々の行動に関与する匿名的な権力として語られる「アーキテクチャ」。変わりつつある「管理」への想像力を、3人の若手論者がコミュニティ、コンテンツ、コミュニケーションの現状分析を通じて、鮮やかに活写する。 【プロフィール】 荻上チキ 1981年兵庫県生まれ。東京大学情報学環境修士課程修了。専門はテクスト論、メディア論。著書に『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『12歳からのインターネット』(ミシマ社)、『ネットいじめ』(PHP新書)、『社会的な身体』(講談社現代新書)、共著に『バックラッシュ!』(双風舎)がある。人文社会科学系を中心にネットで話