ロシアのプーチン大統領がほんの少し動いただけで、欧州はエネルギー安全保障の面で後戻りができない地点に達した。写真は天然ガスのパイプラインとロシア国旗のイメージ。7月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)
7月19日、ロシアのプーチン大統領が、天然ガスを「武器」にして欧州の結束に揺さぶりをかけようとしている。18日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic) [ロンドン 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロシアのプーチン大統領が、天然ガスを「武器」にして欧州の結束に揺さぶりをかけようとしている。ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」は、定期メンテナンスのために21日まで10日間の予定で稼働を停止中。プーチン氏は稼働再開の有無、もしくは再開のやり方を狡猾に決めることによって、ウクライナ侵攻を巡る欧米の結束を弱めようとするかもしれない。そのリスクは現実のものだが、プーチン氏が成功する可能性は小さそうだ。 仮にプーチン氏が21日以降もノルドストリーム1の稼働を停止し続けるなら、欧州、特にドイツの天然ガス供給を巡る問題は本格的な危機へと発展するだろう。ロ
[ロンドン 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロシアのプーチン大統領は、欧州各国の指導者を「釣ろう」としている。プーチン氏は1週間前、ロシア産天然ガスの代金はユーロでなくルーブルで支払わなければならないと主張した。 だが、31日に公表した新たな大統領令で打ち出された仕組みでは、買い手がルーブル決済を免れることが可能に見える。もっとも、ある種の「エイプリルフール」としか思えないこの動きにも、最終的には何らかの意味があるのかもしれない。 プーチン氏が仕掛けた手は、非常に大きな経済的ダメージを欧州各国にもたらす恐れがあった。ユニパーやENI(エニ)といった欧州の天然ガス大口購入者が市場でルーブルを確保できなければ、欧州連合(EU)が必要としている天然ガスの3割超を供給するロシアが、パイプラインを止めてしまってもおかしくなかったからだ。
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