1999年11月、中学校を退学して渡米するぼくのために、当時の担任の先生が、クラスメート全員から寄せ書きを募ってくれた。30センチ四方の色紙の真ん中に「飛翔」と書かれており、それを囲むようにクラスメート42人が縦書きでコメントを寄せてくれた。14歳のぼくは心底感動し、渡米まもなくの頃は、しょっちゅうその寄せ書きを眺め、右も左もわからない英語圏での生活と戦う心の糧にしていた。 それでも人間なんて勝手なもので、徐々にアメリカでの生活に慣れ、次第に色紙を眺めることも少なくなった。正直、誰が何を書いてくれたかも殆ど覚えていない。が、一つだけ鮮明に覚えているコメントがある。それが、M君が書いてくれた だ。中央に書かれた「飛翔」という言葉もそうだが、寄せ書きの多くは「アメリカに行ってもがんばれー」といった僕を勇気づけるものだった。もちろんそれはそれでありがたかったのだが、そんな中でM君のコメントは、よ