神戸市灘区の酒造会社・富久娘酒造が純米酒に醸造アルコールを混ぜるなどしていた問題で、同社が日本酒造組合中央会(東京都)から少なくとも3度にわたり、法令順守の徹底を求める通達を受けたにもかかわらず、対応を怠っていたことがわかった。 同中央会は12日付で、全酒造会社に商品チェックの徹底などを文書で求めた。 同中央会などによると、今年2月、大阪府阪南市の酒造会社が虚偽の銘柄ラベルを貼るなどした不正表示が発覚したことを受け、9月までに3回以上、国税庁の「清酒の製法品質表示基準」など法令を守るよう、各都道府県の酒造組合を通じて全社に要請した。 しかし、同社は十分な調査をせず、10月末に大阪国税局に指摘されて初めて公表。商品の不正表示は4~5年前から続き、自主回収は57銘柄中、38銘柄に上る。 小島久佳社長(60)は通達について、「担当者から『問題なし』と報告を受けていた。管理体制に不備があり、調査し