香港の反政府抗議デモに参加していたチェン氏は19年8月、在香港英総領事館の職員として中国本土の広東省深セン市へ出張した際に突然拘束された。 拘束理由は、身に覚えのない買春容疑だったが、英政府のデモへの関与やデモでの暴力行為、中国本土からのデモ参加者への金銭的支援、英総領事館の内部事情について連日、早朝から深夜まで尋問を受けた。 尋問室では手錠をかけられ、目隠しをされたり、頭から袋をかぶせられたりしたまま長時間立たされた。「呼吸もよくできず、眠ってしまいそうになると棒のようなもので殴られた。留置場に戻ると、体中にあざができていた」と語る。 家族や弁護士、英総領事館へ連絡を求めると「買春容疑で弁護士は呼べない。家族に知らせる義務もない。おまえは中国人で内政問題だから英総領事館への報告も不要だ」と一蹴された。 留置場は初日だけ雑居房で15人ほどと同室だった。まもなく釈放されるという人に家族の電話