米国を中心とした次世代電力網「スマートグリッド」についての話題が絶えない。米国版スマートグリッドの中核は,送電網の大規模な新設よりむしろ,「スマートメーター」の大量導入にある。スマートメーターとは,ユーザーの電力利用量をネットワーク経由でリアルタイムに把握したり,必要に応じてユーザーの各種電気製品の消費電力を制御したりする機能を備えた電力メーターのことだ。米国では,この新市場に,これまでは情報通信システムを開発,販売していたいわゆる「IT企業」が大量になだれ込んでいる(関連記事,日経エレクトロニクスの特集記事,11月5日発売の「Smart Energy」)。その多くは,インターネットで培った技術を電力網の制御に応用しようとしているのである。 この米国版スマートグリッドに近いサービスを日本で10年近く前に始めようとした会社がある。NTTファシリティーズと東京ガス,大阪ガスが共同で2000年に
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