昨今、持続可能な開発目標「SDGs」という言葉を新聞やテレビなどのメディア媒体で見ない日はない。実際、日本の全国紙、地方紙、業界紙などを網羅している新聞記事データベース「ELNET」で検索してみたところ、2021年に「SDGs」というキーワードでヒットした記事は2万3990件に上る。SDGsや環境への配慮を謳った製品やエコマークを付した製品をスーパーで探すことは、困難なことではない。 ところが、水産物になると話は別である。エコマークのついた水産物を見つけることができるスーパーのほうが、むしろ少ないだろう。こうした海のエコマークのなかでも最も有力で世界各国で製品が流通しているのが「MSC」という認証であるが、今月発表されたMSCが世界規模で実施した調査結果によると、全世界での認知度は2ポイント増の48%であった一方、日本での認知度は15%に過ぎず、しかも2年前の調査と比べて4ポイント減少して