技育祭は「技術者を育てる」ことを目的としたエンジニアを目指す学生のための日本最大のオンラインカンファレンスです。ここで登壇したのは、Ruby言語の開発者である、まつもとゆきひろ氏。エンジニアを目指す学生からの質問に答えました。全3回。1回目は、まつもと氏が言語開発に興味を抱いたきっかけと、誕生するまでの経緯について。 Rubyの父の経歴 楓博光(以下、楓):まず、Matzさん(※まつもと氏のニックネーム)から経歴を簡単にお話しいただいてもよろしいでしょうか。 まつもとゆきひろ氏(以下、まつもと):そうですね。32年前の1990年に大学を卒業して、プログラマーとして普通に就職したんですけれども、もともとプログラミング言語が大好きだったので、その傍ら、趣味でプログラミングをしていました。それで、「いつか作るか」と思っていた言語にとうとう取り掛かったのがRubyです。転職をするうちに、だんだんR