――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 講演録 高校「無償化」問題と民族教育権 一橋大学名誉教授 田中宏 PDF版はこちら ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 高校無償化はなぜ画期的か まず高校無償化をどう考えたら良いのか、高校無償化は何故画期的かという事について話したいと思います。日本は国際人権規約を1979年に批准しているのですが、その中の教育に関する社会権国際規約第13条2項の一部は「留保」しています。第13条2項はa、b、cの項目があり、aは初等教育、bは中等教育、cは高等教育、における無償教育の導入について述べています。日本はbとcは留保しており、現在も留保しているのは条約加盟国のうち、日本とマダガスカルの2カ国だけです。だから高校を無償化にすれば、第13条2項bの留保を解除でき、日