「足利事件」の冤罪(えんざい)の可能性を指摘するキャンペーン報道は、清水潔さんが取材を初めてから半年たった2008年1月、日本テレビの報道番組「ACTION 日本を動かすプロジェクト」で始まりました。菅家利和さんと犯人のDNA型が一致したという裁判所の認定は変わっていませんでしたが、取材で判明した疑問点を次々と報じていきました。 あえて通常のニュースではみられないナレーションも採用しました。「もし〇〇ならば」という問いかけです。「もし菅家受刑者が無実であるならば、五つの幼女殺害事件はすべて未解決ということになる」。菅家さんがDNAの再鑑定を望んでいることを伝え、「我々はこの5件の幼女連続誘拐殺人事件を徹底的に検証していく。同一犯による事件の可能性はないのか。犯人は今もどこかに潜んでいる」と訴えました。夕方のニュースや報道番組で次々と、キャンペーン報道を続けました。 報道を始めた翌月、清水さ