東アジア最大の蛇行剣(長さ237センチ)の初公開など、今年最も話題を集めた古墳の一つが奈良市の富雄丸山古墳(4世紀後半)だ。ただ、半世紀前に高度経済成長期に伴う住宅開発で消滅する危機にあったことはあまり知られていない。当時若手研究員だった奈良県立橿原考古学研究所元副所長の泉森皎(こう)さん(83)が、保存の必要性をあの手この手で業者に訴えた。その熱意が、今の「蛇行剣フィーバー」につながった。 3月中旬に邪馬台国(やまたいこく)の女王、卑弥呼(ひみこ)の鏡ともいわれる三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)などが埋葬時の状態で見つかり、現地説明会には2日間で4500人が訪れた。3月末~4月の同研究所付属博物館(橿原市)での蛇行剣の初公開には8日間で1万7千人以上が詰めかけ、2時間待ちの列ができるほどだった。 ふた開けた缶詰