違法薬物を現場で鑑定するため、警察庁は、持ち歩ける大きさの鑑定機器の導入を検討している。現在は試薬を使っているが、対象の薬物が覚醒剤などに限られている。覚醒剤を正確に鑑定できるか、来春から実証実験する方針で、将来的には危険ドラッグを含む様々な薬物への活用を目指す。 国内の薬物事件で摘発される人の95%以上を占める覚醒剤と大麻には簡易鑑定用の試薬があり、陽性かどうか警察官が色を見て判断する。警察庁の担当者は「人間なのでミスはある。機器に頼れるならその方が良い」と話す。 社会問題化した危険ドラッグは試薬がない。種類が多く、化学構造の似た商品が次々と出回るためだ。所持していた人物が「違法薬物だ」と供述しても逮捕できず、各都道府県警の科学捜査研究所で鑑定し、違法薬物とわかった段階でようやく逮捕できる。鑑定が集中すると数カ月待ちという状況だ。試薬で鑑定できない薬物は他にも多数ある。 警察庁は米国など
