ニュースで各地の台風被害を耳にすると、自分たちの対策を見直すかもしれません。 近所で誰かの悲鳴が上がると、それを聞く私たちはとっさに身構えます。 こうした傾向は、人間だけでなく植物にもあるようです。 最近、スイスのヌーシャテル大学(University of Neuchatel)に所属するパトリック・グロフティザ氏ら研究チームは、メキシコの混作(2種類以上の作物を同じ畑で同時に栽培する)にて、トウモロコシの悲鳴をマメが聞いていることを報告しました。 マメ科植物は、トウモロコシが害虫に襲われる時に放出する揮発性物質を感知し、それに応じて、害虫から自分たちを守るアリやスズメバチを引き寄せていると判明したのです。 研究の詳細は、アメリカ生態学会の年次総会「2024 ESA Annual Meeting」にて発表され、今後論文にも掲載される予定です。 How the Three Sisters s
西洋料理の高級食材とされる国産の黒トリュフを人工的に発生させることに森林研究・整備機構森林総合研究所などのグループが成功した。昨年には白トリュフの人工発生も確認しており、今後は白黒両方のトリュフが安定的に育つ条件を探り、栽培技術開発を進めていくという。 トリュフの和名はセイヨウショウロ。マツタケと同様、生きた樹木の根に共生して増殖する菌根菌から発生するキノコの仲間だ。国内には20種以上が自生しており、食材として期待できる種もあることから、森林総研の山中高史東北支所長(微生物生態学)らは、トリュフの生育に適した樹種や土壌環境を解明し、国産種のトリュフを発生させる取り組みを2015年ごろから始めた。 菌根菌であるトリュフと樹木の共生の仕組み。トリュフは樹木から糖など光合成産物をもらう一方、土壌中から集めた養水分を樹木に供給するとみられる(森林総研提供)
元サッカー日本代表で、FC東京のスター選手だった石川直宏さん(42)は現在、長野・飯綱町で農場を経営している。このほど、東京・築地場外のバーベキュー場を訪れて朝どれの自作トウモロコシを持ち込み来場客に振る舞った。。 畑仕事で真っ黒に日焼けした石川さんは「世界の食材の集まる築地は、農作物のW杯会場じゃないですか。そこで自分のつくったトウモロコシを食べていただくだけで本当にうれしい」と話し「今年のトウモロコシ、めちゃくちゃおいしく仕上がってるんですよ」と胸をトントンとたたいて笑顔をみせた。 石川さんは飯綱町で自分の名前を冠した農園「NAOs FARM」(約70アール)の農場長。「もう3年目になります」と振り返る石川さんは「農業に縁のなかったサッカー選手なので、最初の2年は『農場長見習い』でしたが、ひと通りの農作業もきっちりできるので今年から『見習い』を外しました」とつぶやいた。 初年度はトウモ
メキシコの一部の地域では、最大16~20フィート(約4.8mから6m)にまで成長するトウモロコシの品種があることが知られており、このトウモロコシの根から出る粘液が、化学的な肥料を使用した、従来の穀物の栽培方法を大きく変える可能性が期待されています。 This Slime Could Change The World | Planet Fix | BBC Earth Lab - YouTube メキシコ南部のトトンテペックで栽培されているトウモロコシは、一般的なトウモロコシの高さである8フィート(約2.4m)から10フィート(約3m)を優に超え、最大で20フィートにまで成長します。 このトウモロコシの特徴は、地上から数mの高さにある根から放出されるベトベトした粘液です。 このトウモロコシはメキシコ南部のトトンテペックにおいて何世紀にもわたり、現地の農家によって大切に扱われてきました。 現地で
地球温暖化を食い止めるためには、森林の面積を増やして樹木により多くの炭素を吸収させることが必要です。ところが、増え続ける地球の人口を養うためには農地を拡大しなくてはならず、森林を伐採して農地に転換する動きが加速しています。そんな気候問題と食糧問題を一挙に解決する方法として、イギリスのスターリング大学で自然科学の名誉教授を務めるポール・トーマス氏らの研究チームは、「森林と一緒にキノコを育てること」を提案しています。 Edible fungi crops through mycoforestry, potential for carbon negative food production and mitigation of food and forestry conflicts | PNAS https://doi.org/10.1073/pnas.2220079120 Growing mus
わさびの生産地と聞いて日本人の多くの目に浮かぶ光景は、沢辺だろう。そんなイメージとはかけ離れた、乾燥した高原で、わさびを栽培している人たちがイスラエルにいるという。イスラエル紙「ハアレツ」が、知る人ぞ知る現地を取材した。 イスラエルはゴラン高原南部にある共同体エリアドで、警備員の車がゆっくりと温室のそばを過ぎていく。 モシャブやキブツ(イスラエルのユダヤ人農村共同体)で育った者なら嫌というほど知っている表情が、警備員の顔に浮かんでいる。「お前たちは何者で、ここで何してるんだ?」と言いたげな表情、見慣れない車や人をじっくり観察する怪訝な目つき──。 「何が起こっているのか、この客人たちは何者か、いまにも電話で確認しそうな表情だね」と面白そうに言うのは、この温室を自作したラン・ロネンだ。 温室のなかでロネンが栽培するのは、日本料理に欠かせない食材で、世界市場でも高価な「わさび」だ。 ほこりっぽ
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そばの収穫量を増やそうと品種開発に取り組んでいる長野県は、早い時期から栽培を始めて1年に2回収穫できる新たな品種を完成させ、2月にも国に申請することになりました。 長野県内のそばは、夏に種をまいて秋に収穫する「夏まき栽培」が、およそ8割を占めていますが、収穫時期と重なる台風の被害を受けやすく、収穫量が安定しませんでした。 このため、長野県は、春には種をまいて夏に収穫できる品種の開発を進め、去年、新たな品種「桔梗13号」を完成させました。 県によりますと、夏と秋の1年に2回収穫する二期作が可能なうえ、丈が低く、台風の強い風でも倒されにくいことから、収穫量の増加が期待できるということで、県は国に対して、来月にも「桔梗13号」の品種登録の申請をすることにしています。 県野菜花き試験場の丸山秀幸主任研究員は「外国産のそばの価格が上がり国産の需要が高まっているなかで、新しい品種はそばの収穫量向上につ
宇宙実験モジュール「問天」で撮られた、種子から次世代の種子までの全ライフサイクルを発育段階ごとに表した写真。図像右上の数字は培養液を注入してからの日数を表す(撮影日不明、中国科学院公式サイトより)。(c)People’s Daily 【1月4日 People’s Daily】2022年12月4日午後8時9分、神州14号(Shenzhou14)有人宇宙船の帰還モジュールが着陸に成功した。宇宙ステーションで行われた化学実験のサンプルを確認した後、関係する専門家への引き渡しが行われた。 帰還したのは冷蔵パックの生物サンプル3点と容器に入っていないサンプルバッグ1点で、うち生物サンプルはイネとシロイヌナズナ、サンプルバッグの中身は特別な容器に入っていない実験サンプル4箱であった。 イネは人類にとって主な穀物で、将来的に有人宇宙探査機の生命維持システムにおいて主な候補となっている穀物である。宇宙ステ
夏そばのシーズン真っ盛りだ。王道の秋新に比べると味わいはやや淡白だが、一方で喉越しの清涼感は優れているように思う。こんなそばは、特に暑い日の夕方には凍結酒とざるでいただくのが何よりだ。 初夏の風に吹かれて白い花が揺れるソバ畑は美しい。私が初めてこの光景を目にしたのは小学生の頃。白いじゅうたんの背後には抜けるような青空と真っ黒な岩手山があった。その後大人になってソバの花を見た蔵王や御嶽山麓開田高原でも、同じような光景が広がっていた。こうして私の頭の中には、ソバ=火山という等式が出来上がってしまった。しかし、この関係は決して私の思い込みだけではないようだ(図)。 日本列島の活火山、ソバ産地、黒ボク土の分布(産業総合研究所の原図を加工)と典型的な黒ボク土の断面(農研機構日本土壌インベントリーの原図を加工)。 火山性の耕作不適土壌「黒ボク」に育つソバソバの産地が火山の山麓に多い理由の一つは、ソバの
こんにちは。きのこが大好きできのこ問屋に15年勤めた経験もあるライター、露木啓(つゆき・けい)です。 ▶私が「栽培きのこ」の魅力を語り尽くした記事はコチラ 突然ですが、皆さん「しいたけ」は好きですか? 食卓に馴染み深くどこでも気軽に買えるきのこの一つですが、最近は栽培方法や品質にこだわったレアな「高級しいたけ」が増えており、全国各地で競うようにブランドしいたけが生まれているんですよ。 一般的なしいたけと高級しいたけの大きな違いは「厚み」。高級しいたけは大きくて、肉厚で、ジューシーさを兼ね備えているものが多いです。 全国の「肉厚しいたけ」を楽天で探してみる とにかく厚さにこだわった「八色しいたけ」が本当においしい そんな中でも「厚いにもほどがある」という強気のキャッチコピーを掲げる「八色(やいろ)しいたけ」というブランドがあります。どれだけ厚いのかというと…… 普通のしいたけ(左)と八色しい
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およそ50年前に人類を月面に送り込んだ「アポロ計画」で月から持ち帰った土を使って植物を栽培することに初めて成功したと、アメリカの大学の研究チームが発表しました。 研究チームは「月で植物を育てる最初の一歩を踏み出した」と意義を強調しています。 実験を行ったのはアメリカ、フロリダ大学の研究チームで、NASA=アメリカ航空宇宙局が人類を月面に送り込んだ「アポロ計画」によって、1969年から1972年にかけて月から持ち帰った土が利用されたということです。 研究チームの発表によりますと、月の土を1グラムずつ容器に入れ、栄養を加えたうえでアブラナ科のシロイヌナズナの種をまいたところ、ほとんどが発芽したということです。 月の土で植物の栽培に成功したのは初めてだということです。 一方で、成長が遅く大きさにばらつきがあるものもあったということで、植物が月の土の環境をストレスだと認識していることが推測されると
鶏卵最大手のイセ食品(東京・千代田)は11日、会社更生手続きに入ったと発表した。グループ会社も更生手続きに入り、帝国データバンクによると2社合計の負債総額は453億円。全国に生産拠点を構え、米国やアジアに進出するなど拡大路線を続けてきたが、近年は業績が低迷して過剰債務に陥っていた。飼料や燃料など生産コストの上昇も重なり、資金繰りに行き詰まった。他に更生手続きに入ったのは、イセ(富山県高岡市)。
欧米では高級食材として流通しているアミガサタケは、世界各地で人工栽培方法の確立に向けた取り組みが行われており、日本でも岐阜県や岩手県で屋外での人工栽培に成功した例が報告されています。そんな中、デンマークのアミガサタケ人工栽培プロジェクトチーム「The Danish Morel Project」が1年を通したアミガサタケの屋内人工栽培方法を確立したことを発表しました。 The Morel Project - The Danish Morel Project https://thedanishmorelproject.com/the-morel-project/ The Danish Morel Projectは生物学者のジェイコブ・カーク氏とカーステン・カーク氏からなるプロジュエクトチームで、1980年代からデンマークの王立獣医農業大学やコペンハーゲン大学などの研究機関と協力しながらアミガサ
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