肥薩線利用促進・存続期成会の田中信孝会長(熊本県人吉市長)は、同市で開かれた定期総会で、九州新幹線全線開業後の南九州中部圏域振興の軸として吉松(湧水町)−人吉間35キロの山岳路線「山線」に蒸気機関車(SL)「D51」を復活運行させる構想を会員16市町村に提案した。 定期総会は12日あり、同期成会は本年度、課長級職員による幹事会で、同構想について検討することを承認した。 昨年、開通100年を迎えた「山線」には、険しい地形をクリアするために設けられたスイッチバックやループ線など鉄道遺産が点在。えびの盆地や霧島連山を一望できる雄大な眺めは「日本三大車窓」にも数えられている。提案は、D51運行により、これらの魅力を最大限発揮させ、過疎・高齢化が著しい南九州中部圏域への交流人口増を図る狙いがある。 活用を予定する機関車は、かつて同路線で活躍し、1972年から人吉市の矢岳駅で保存されている「D5