「家族を撮り続けている意識は、実はほとんどない」。テレビドキュメンタリーを手がけた後、劇映画デビューし、昨年のカンヌ国際映画祭で「万引き家族」が最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督(57)は、こ…
「万引き家族」がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた是枝裕和監督に、授賞式直前の24日午後(日本時間25日朝)、米ロサンゼルスで朝日新聞など新聞各社合同で話をきいた。是枝監督は、昨年10月に日本代表としてアカデミー外国語映画賞の出品作に選ばれてから今にいたるまでの心境を語った。 ――現在のお気持ちは ようやく終わる、ああ長かったな(笑)。 ノミネートされるまでのキャンペーンが去年の秋から始まって……。こっちはパリで(カトリーヌ・ドヌーブやジュリエット・ビノシュが出演する新作映画の)撮影中だったのに。もちろん、この作品を米国で成功させたいと思ってくれた配給会社やパブリシストなどいろんな方たちの熱意のたまものなんですけど。秋から繰り返し繰り返し米国に来て、取材を受けたり、上映に立ち会ったり、レセプションに出たりしていた。 外国語映画賞でこんなに大変だったら、(作品賞など)本賞に入った作り
是枝裕和監督 サン・セバスチャン国際映画祭にて (C)Festival de San Sebastian. Photo Montse Castillo 『万引き家族』の是枝裕和監督が、スペインで開催中の第66回サン・セバスチャン国際映画祭にて、俳優または監督に贈られる生涯功労賞にあたる<ドノスティア賞>を受賞。先日亡くなった樹木希林との思い出の映画祭で、アジア人として初めての栄誉に思いを語った。 >>『万引き家族』あらすじ&キャストはこちらから 9月21日(金)~9月29日(土)まで、スペイン北東部の港町サン・セバスチャンにて開催中の同映画祭は、1953年から始まり、今年で66回目。ヨーロッパでは、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアの3大映画祭に次ぐ、重要な国際映画祭と位置づけられている。 今回、是枝監督が授与された<ドノスティア賞>は、過去にはアル・パチーノ、フランシス・フォード・コッポラ、オ
公権力と一線を画した表現や研究は「反日」なのか。カンヌ国際映画祭の最高賞を受け、政府の祝意を断った是枝裕和監督が「国の助成金を利用したのに非礼だ」「映画は反日的内容」などバッシングされた。「反日」というレッテル貼りが横行する背景を考える。【中川聡子/統合デジタル取材センター】 文化は国を超える 文化庁に2000万円の助成を受けた是枝さんが「万引き家族」で最高賞を受けた直後の先月、国会で林芳正文部科学相が是枝さんに祝意を伝える考えを示した。これに対し、是枝さんは「映画が国益や国策と一体化して不幸を招いた過去の反省に立ち、公権力とは距離を保つ」との見解を公表。辞退の意向に批判が噴出した。 是枝さんの見解には助成金への謝意も書かれている。「読んでいないのか、意図的な誤読なのか、『反日だ』『韓国に帰れ』と中傷がエスカレートしていった」と、是枝さんは取材に振り返った。
仏米のスターが是枝裕和監督作に結集[映画.com ニュース] 第71回カンヌ国際映画祭で「万引き家族」が最高賞にあたるパルムドールを受賞した是枝裕和監督の最新作「La Verite(仏題・仮)」の製作が決まった。日仏合作となる今作はフランスで撮影を予定しており、主演はフランスの至宝カトリーヌ・ドヌーブが務める。さらにジュリエット・ビノシュ(「イングリッシュ・ペイシェント」)、イーサン・ホーク(「6才のボクが、大人になるまで。」)、リュディビーヌ・サニエ(「スイミング・プール」)を共演に迎え、力強く情感豊かな家族の葛藤の物語を描く。 是枝監督にとって長編15本目となる今作は、フランス映画界屈指の大女優である母とかつて女優を志望しながら現在は脚本家としてアメリカに拠点を構える娘の対立、そして関係が修復出来るのかを軸に描く。そろそろ第一線を退く時期だが老いを認めたくない母(ドヌーブ)の自伝出版を
「同調圧力の強い国の中で、多様性の大事さを訴えていくのはすごく難しい」――。インタビューのさなか、是枝裕和監督(56)がそう口にした場面があった。カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した『万引き家族』。その映画に文化庁の助成金が使われたことや、文部科学大臣の「祝意」を拒んだことに話が及んだ時のことだ。『万引き家族』がそうであったように、是枝監督はしばしば社会の片隅に生きる人々を主人公に据える。「国家」などの「大きな物語」ではない「小さな物語」。それにこだわるのはなぜか。自身の真意は、本当に伝わっているのか。是枝監督と1時間半、向き合った。(文・飯田千歳、写真・穐吉洋子/Yahoo!ニュース 特集編集部)
「見出しだけで善悪を判断する」人が多い。まとめサイトやブログのエントリはもちろん、週刊誌や新聞記事だって見出しで人を釣る。だから釣られる人がたくさん出る。ある程度はしょうがないし、俺も釣られることがある問題だから気をつけている。 万引き家族に釣られる人々 見出しで釣る記事やエントリでも、本文にはたいてい詳細が書いてある。でも記事に対して辛辣なコメントしている人たちに限って記事をちゃんと読んでいない。今、そんな問題が映画のタイトルで起きている。『万引き家族』だ。タイトルから万引きで繋がる家族という印象を受けた人が大量に発生したのだ。実際にそう宣伝しているしそういう展開もあるけど、映画本編はもっと複雑で深刻だ。詳細を説明するとネタバレになってしまうのが、『万引き家族』に対する勘違い問題に拍車をかけている。 万引き家族への批判意見 例えばあるアカウントは『万引き家族』を 「万引き家族の絆なんて貧
2人の監督 「インビジブル ピープル」と審査員長のケイト・ブランシェットは授賞式の冒頭で口にした。その存在に光を当てることが今回の映画祭の大きなテーマだった、と。隣に座った通訳を介して日本語に翻訳してもらいながらだったので内容は大まかにしか把握できなかったが、その「invisible」という言葉だけはずっと頭に残った。確かに『万引き家族』で僕が描こうとしたのも普段私たちが生活していると、見えないか、見ないふりをするような「家族」の姿だ。その生活と感情のディティールを可視化しようとする試みが今回の僕の脚本の、そして演出の柱だったとケイトさんの言葉に触れて改めて思い出した。そして、そのスタンスは14年前の『誰も知らない』とも通底している——と、自分では今回の作品を分析していた。なので名前を呼ばれて壇上に向かいながら、このスピーチでは「invisible」なものについて触れようと考えていた。 僕
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