将棋の藤井聡太王位(22)が今月9日、静岡県牧之原市を訪問した際、市内の旧家で今春見つかった200年以上前の詰将棋(つめしょうぎ)が披露されました。藤井王位が一目で解いてみせたこの詰将棋に、解答とは別の謎が秘められていたことが、その後の調べで分かりました。愛好家が「約20年ぶりの大発見」と興奮し、藤井王位も「気づかなかった」と驚いた、図面に隠された秘密とは―。東京新聞連載「バン記者・樋口薫の棋界見て歩き」の「盤外編」としてお伝えします。(樋口薫)
![藤井聡太王位が解いた「200年前の詰将棋」に残されたナゾ…実は込められた意味があった バン記者・樋口薫リポート:東京新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1c7de5f912a9fe4d59088d397e8a10de1bf13775/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffanyv88.com%3A443%2Fhttps%2Fstatic.tokyo-np.co.jp%2Fimage%2Farticle%2Fsize1%2F4%2F0%2F2%2F8%2F4028f3d3f184cc0f5c55059f43d1e00b_1.jpg)
取材・文/白鳥士郎 「私がCSA会員だというのが大きな理由だったんだと思います」 解説者として電竜戦への協力を求められたきっかけを尋ねたとき、阿部健治郎七段はそう答えた。 CSA――『コンピュータ将棋協会』。 歴史ある団体であり、かつては将棋連盟に挑戦状を叩きつけたこともある。まだ人類が機械より強かった頃のことだ。 なぜ将棋連盟の正会員である阿部は、CSAの会員にもなったのか? 「10年くらい前……2010年に新人王戦で優勝したんですが、優勝者は世界コンピュータ将棋選手権で解説役をするという慣例があるんです。その時に開発者の方々から、将棋ソフトのことについて教えていただいて、それで興味を持ったから入会しました」 とはいえ、解説役として協力することはあっても、わざわざ会費を払って入会までするプロ棋士というのは少ないだろう。 阿部は20代で竜王戦1組に昇ったトップ棋士であると同時に、研修会幹事
1月10日、11日に行われた王将戦第1局でも挑戦者の永瀬拓矢王座を破るなど、36歳でも衰えとは無縁の強さを見せる名人・渡辺明。「脳の研究者に会いたい」と語っていた名人が昨年末に訪れたのは、東大教授で日本の脳研究の第一人者である池谷裕二の研究室。 Number将棋特集第2弾で実現した、脳を使うスペシャリストと脳を考えるエキスパートの2人による対談は、脳の老化から、棋士の研究法の変化、対局前や対局中における有効な脳の使い方まで、徹底的に論じられた。その白熱の内容は是非、将棋特集に掲載されている本編でお楽しみいただくとして、誌面に掲載しきれなかったのが、将棋とAIについて。 渡辺といえば、AIによる研究の深さでも知られる棋士。AIの性能が上がり続ける中、将棋の未来をどのように感じているのだろうか。 ◆◆◆ 池谷 AIによって若い棋士の将棋は進化していると思いますが、将棋というゲーム自体も進化して
「大学などの研究機関や、動画編集を業務とする企業が使うようなパーツです。一般の家電量販店ではまず取り扱っておらず、ウチのような専門店じゃないと手に入らない。ましてや藤井(聡太、18)さんのように将棋ソフトのために購入した人は見たことがない」 将棋界で快進撃を続ける藤井二冠は棋譜の分析のためのパソコンを自作することで知られているが、9月10日付の中日新聞に掲載されたインタビューで、〈最新のはCPUに「ライゼンスレッドリッパー3990X」を使っています〉と明かした。 CPUはコンピュータの頭脳にあたるパーツだが、藤井二冠が名前を挙げたのは今年2月に発売された最新モデルで、お値段なんと約50万円。通常の家庭用パソコンのCPUであれば価格は2万~3万円程度である。 この高級品が「将棋の分析に最適」と評するのは、今年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した将棋AI「水匠」の開発者である杉村達也氏だ。
――棋士とAIの対決をどう思われますか? 将棋ソフトとの対局は大きな話題になりましたけど、将棋ソフトと対決の時代をこえて、共存という時代に入ったのかなと思います。 プレイヤーとしては、ソフトを活用することで、自分自身成長できる可能性があると思っていますし、見ていただく方も、観戦の際の、楽しみの一つにしていただければと思います。今の時代においても、将棋界の盤上の物語は不変のものと思いますし、その価値を自分自身伝えられたらなと思います。 上記は藤井聡太(現)二冠が初めて棋聖位を獲得したとき、記者会見で報知新聞の北野記者から「AI時代の棋士の在り方」について問われ、答えた言葉です。 私はこのセリフを聞いたとき、泣きました。最初は不意をつかれたようにジワっときて、あとはもうボロボロです。後日ツイッターやブログを見ると、同じように涙した将棋ファンが多かったようです。 どうかキモいと引かないでください
近代将棋1993年10月号、池崎和記さんの「福島村日記」より。 某月某日 森信雄六段(関西本部の新理事)と一緒に雷鳥23号で富山へ。明日、星井町小学校体育館で羽生竜王の「100面指し」があるのだ。羽生さんは当日、飛行機で来るそうだ。 このイベントは星井町児童文化センターの将棋クラブが将棋世界誌の「全国棋士派遣プロジェクト」に応募して実現したもので、羽生さんが指導するのは小中学生100人。 (中略) 体育館に下見に行くと、星井町児童文化センターの皆さんが準備の真っ最中。長テーブルを34台(1台につき将棋盤が3面ずつ)、「ロ」の字形に並べてあった。その内側を、羽生竜王がカニみたいに横歩きしながら一手ずつ指していくわけだ。 一周するのにどれくらい時間がかかるか、試しに森さんが歩いてみると5、6分だった。かりに1局平均100手(うち上手が指すのが50手)とすると、100面では4時間以上かかる計算に
I couldn't ever bring myself to hate you as I'd like (Stone Roses, "I Am the Resurrection") 早いもので、将棋界の語り部、河口俊彦七段(死後、八段追贈)が亡くなって五年が経った。 河口俊彦老師の代表作である『大山康晴の晩節』ちくま文庫版の解説を書いた縁で、その刊行直前の2013年12月の夜に老師の話を伺う機会に恵まれた。老師が亡くなるおよそ一年前になる。 『大山康晴の晩節』の担当者である筑摩書房の伊藤さんの計らいで老師とお目にかかるのが決まったはいいが、その日が近づいてくると自分だけでは心許ないと怖気づき、ピースオブケイクの加藤貞顕さんにお声がけさせてもらった。 加藤貞顕さんというと、今では「2000万人が集う“開かれた表現の街”の立役者」として知られるが、この2013年には名人戦第一局の観戦記者も務
奨励会には入会試験にも年齢制限がある。大半が入会する6級の場合、15歳までしか受験できない。16歳は5級、17歳は4級、18歳は3級、19歳は1級での受験とハードルが上がっていく。1986年10月生まれの知花さんは、2005年8月の奨励会試験の時点では18歳10か月。2か月早く生まれていたら19歳で1級を受けなければならず、ギリギリのタイミングでの3級受験だった。 1次試験では受験者同士が対局を行い、当時は2日で6戦。4勝すれば通過。2次試験が現役奨励会員との対局で、1日3戦のうち1勝すれば合格だった。 (前後編の後編/前編を読む) ◆ ◆ ◆ 18歳での奨励会受験「合格の自信はあった」 ――奨励会受験は6級受験者が大半で、3級受験の知花さんが駒を落とす対局もあったと思います。対策など大変ではなかったですか? 知花 1次試験に角落ちはなかったと思います。香落ちはあったかな。対策は全然せず、
将棋の戦法は、大きく分けて二つある。序盤に大駒である飛車を動かさない「居飛車」、そして飛車を横に移動させる「振り飛車」だ。振り飛車は、大駒が盤上を飛び交う派手な展開がファンにも人気で、かつて棋界に君臨していた大山康晴十五世名人も得意としていた。 本当に振り飛車に未来はないのか ところが、近年では振り飛車党の受難の時代が続いている。現在8つあるタイトルを保持しているのは、いずれも居飛車党。名人への挑戦権を争う順位戦A級リーグに所属している棋士10人のうち、純粋な振り飛車党は1人しかいない。 理由の一つとして、コンピュータ将棋のレベルが飛躍的に上がる中で、「振り飛車は不利である」と半ば結論付けられている点がある。飛車を横に振っただけで、コンピュータによる形成判断を示す「評価値」は大幅に下がる。すると、コンピュータを研究に取り入れている棋士の多くにとって、振り飛車は端から選択肢にならないのだ。
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 小さいころに将棋を指していた女の子と再会したけれど、男だと思っていたから全然気づかない――そんな創作漫画『めっちゃ将棋指してた幼馴染が女の子だったみたいな話』が尊いと話題です。 将棋を続けていたら会えるという言葉通りに再会したけれど…… 小さいころに一緒に将棋を指していたたっちゃんとかっちゃん。たっちゃんは東京に引っ越すことになり、かっちゃんと会えなくなってしまいます。「やだーっ!!!!」と泣くかっちゃんに、たっちゃんは「ずっと将棋指してたらまた会えるよ」と約束します。 時は経ち、学生になっても将棋を続けているたっちゃんこと設楽龍也。奨励会に入り、初段となっています。同じく奨励会に所属する勝鬨(かちどき)里穂(2級)と対局しながら、かっちゃんとの思い出を話す龍也。あんなあいまいな約束で再会できるわけがない、と後悔を語ります。「普通は
将棋棋士。1988年、福岡県福岡市生まれ。5歳の頃に将棋を始め、10歳で中田功八段門下として奨励会入会、2006年にプロ棋士となる。2008年、第39期「新人王戦」にて棋戦初優勝。2016年、第74期「名人戦」にて羽生善治氏を破り、16年ぶりに20代で名人位を獲得、2017年、2018年と2期の防衛を果たす。2016年の第2期「叡王戦」に優勝し、翌年の第2期「将棋電王戦」にてコンピュータ将棋ソフトPonanzaと現役名人として初めて対局した。 2016年、「第74期名人戦」において羽生善治名人を破り、16年ぶりの20代新名人として世間の話題をさらった棋士がいる。ファッションとクラシック音楽を愛する稀代の棋士、佐藤天彦九段である。現在(2019年)31歳。今春行われた「第77期名人戦」では、3年間保持し続けたタイトルを豊島将之新名人に譲り渡すも、ネクストジェネレーションの台頭著しい将棋界にお
―――将棋盤を裏返すと、中央に「血だまり」と呼ばれるくぼみがある。観戦者が対局中に助言してしまったとき、その命を奪って生首を置き、くぼみに血をためたのが由来。 先日から、将棋盤に関する怖~いうわさがネット上に出回っています。にわかには信じ難い話ですが、どこまで本当なのか将棋連盟に取材したところ……え、この言い伝え、本当にあるんですか!? 拡散された情報の元になったWebサイト「雑学ネタ帳」 3月18日頃、「将棋盤の裏には『血だまり』と呼ばれるへこみがある」という記事のキャプチャー画像を、あるTwitterユーザーが投稿。同記事では「対局に口を挟んだ観戦者の首をはねた後、その首をひっくり返した将棋盤に置いた」というエピソードが、この名称の由来として紹介されています。 このツイートは執筆時点(3月22日)で6000回以上リツイートされているほか、複数のまとめサイトが紹介。ただ、この情報は以前か
新世代の台頭、AI戦術、そして藤井フィーバー……。同世代のライバル、羽生善治九段は27年ぶりの無冠に。激動する将棋界にあって、会長として、プレーヤーとして走り続けた2年間を振り返る。 現役棋士としての練習量は激減しました ―― 日本将棋連盟の会長に就任されて丸2年が経ちます。 佐藤 そうですね。確か2月6日でしたから、ちょうど2年になります。生活スタイルはだいぶ変わりましたが、慣れてきた部分もあるとは思っています。ただ、運営に関しては「勉強させていただきながら」という中途半端な姿勢では通用しませんから、自分なりに日々を過ごしているところです。 ―― 棋士として日常の研究があり、対局があり、将棋と向き合う時間をいかに作るか苦慮されていると思います。会長のお仕事が加わることへの葛藤はなかったのでしょうか。 佐藤 プレーヤー生活とのバランスという点では、前会長の谷川浩司先生がずっと現役と両立して
竹俣紅、来年3月に日本将棋連盟を退会 女流棋士を卒業 https://t.co/CAwgpTIBeQ #芸能ニュース #スポーツ報知 — スポーツ報知 (@SportsHochi) 2018年12月10日 皆様へ - 竹俣 紅 公式ブログ https://t.co/CfVXZKyAVG — 将棋ワンストップ (@shogi1com) 2018年12月10日 2:名無し名人:2018/12/10(月) 21:16:36.68 ID:We0Cx21O.net 林葉コースか でも林葉みたいに強くもなかったしな 9:名無し名人:2018/12/10(月) 21:19:57.54 ID:WDg+mxdT.net 女流棋士を「卒業」って初めて見た気がする アイドルか? 12:名無し名人:2018/12/10(月) 21:20:56.98 ID:JVRmPpQl.net 対局でも普及でも何の貢献もしてこ
就活生の全く噛み合わないグループディスカッションを動画にしてみた! 用語の定義のズレが原因で発生するスレ違いをわかりやすく解説 6月23日に開幕した第4期叡王戦(主催:ドワンゴ)も予選の全日程を終え、本戦トーナメントを戦う全24名の棋士が出揃った。 類まれな能力を持つ彼らも棋士である以前にひとりの人間であることは間違いない。盤上で棋士として、盤外で人として彼らは何を想うのか? 叡王戦特設サイトはこちら ニコニコでは、本戦トーナメント開幕までの期間、ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』作者である白鳥士郎氏による本戦出場棋士へのインタビュー記事を掲載。 「あなたはなぜ……?」 白鳥氏は彼らに問いかけた。 ■前のインタビュー記事 ・渡辺明の視線【vol.23】 叡王戦24棋士 白鳥士郎 特別インタビュー シード棋士 羽生善治竜王 『なぜ羽生善治だけが伝説なのか?』 将棋界は今、伝説の中にある。
イケメンで身長が高くて性格が爽やか。さらに将棋が強いとあれば…中村太地に会ったことがある人なら、その完璧さに誰もが嫉妬してしまうだろう。 そんなパーフェクトな印象がある中村でも将棋の神様は試練を与えたのか、羽生善治に阻まれ続け、タイトルホルダーまでの道のりは決してスムーズではなかった。ようやく3度目となる挑戦(第66期王座戦)で、羽生という高き壁を乗り越え初戴冠となった。 中村が選んだ甲冑は「愛」の兜で知られる直江兼続。将棋だけではなく、将棋界の全てを愛し、その普及に務める30歳が考える将棋への向き合い方とは。(編集部) 1988(昭63)年6月1日、東京都府中市出身の30歳。故米長邦雄永世棋聖門下。06年4月四段。タイトル戦登場回数は4回。17年、2度目の王座戦挑戦で羽生二冠(当時)を3勝1敗で破り悲願の初タイトルを獲得。端正な顔立ちと高身長のルックスから「東の王子」とも。血液型B。順位
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