朝の電車は、乗る時間、乗る場所が たいていきまっており、 会話はしたことがないけれど 顔馴染みの人が何人もいる。 その中には、かわいい子もいる。 何ヶ月か同じ朝を共にした かわいい女の子から、 電車を降りる間際に 一通の手紙をもらった。 今日は、席がとなりだったのだ。 もらった手紙は、 レターセットのようなちゃんとしたものではなく、 大学ノートを破ったなんてことのない紙。 それでも僕にとってはすごく 嬉しい出来事で、朝から胸が高鳴った。 ハンバーグ定食を頼んだら、 備え付けの人参とかを先に食べて ハンバーグはいちばん最後に食べる、 楽しみは最期にとっておくタイプの僕は、 その手紙を読んだのは 夜、家に帰ってからだった。 2つ折にされた手紙をひらくと、 そこには可愛らしい文字で 「いつも気になってました。 大音量で音楽を聞くあなたが。 イヤホンから音漏れしてます。 まわりの人に迷惑です。」