鉄道のお話を一席申し上げます。 東京は港区、田町駅と品川駅の間に、JR東日本が新しい駅を作っておりまして。ここはもともと車両基地があった場所でした。ミドリとダイダイ色のカボチャ色の電車とか、白い車体で斜めに緑の三本線が入った「踊り子号」なんて艶っぽい名前の電車がね、夜になると仕事場から帰ってきて、きれいに並んで寝てるんでございますよ。そりゃあもう、鰻よりずっと行儀がよろしい。 もうちょっと時代をさかのぼりますと、昼間は奥の方に青い客車がズラリ。ブルートレインなんて呼ばれた寝台車です。博多、鹿児島、大分、長崎、佐世保、宇野、出雲市、紀伊勝浦、あっちこっちから上京して、ここで昼寝して、夕方になったら東京駅までお客さんを迎えに行って、それぞれの遠いところへ旅立っていくんです。それを引っ張る機関車もいましたっけ。東京機関区ってね。客車と合わせた青い機関車がならんでおりました。 ところが偉い人はこれ