2012年05月07日21:46 カテゴリ法/政治本 法と革命 原発の再稼働をめぐる混乱の原因は、石川和男氏も指摘するように、1年前に菅首相が浜岡を止める「超法規的要請」を行ない、その後も法的根拠のないストレステストの合格を再稼働の条件にしたことだ。経産相が定期検査に合格したと判断すれば電力会社は運転できるが、超法規的措置を発動したため、何を基準に再稼働してよいかわからなくなった。「国民のコンセンサス」って具体的に何で見るのか。コンセンサスができるまで、原発はずっと止めるのか。 このように法律を「杓子定規な規則」と考え、賢明な官僚や慈悲深い政治家が愚かな民を指導すべきだと考える「水戸黄門」的な発想は、日本にはいまだに根強い。それは、ある意味では自然だ。人間を法律が支配するという法の支配は、西洋の特殊な法思想だからである。本書は、このような思想がどのようにでき、近代社会を動かしたかを法制史の
