東京都知事選(2月9日投開票)は、5千万円受領問題を受けた猪瀬直樹前知事の辞職に伴うものだけに「政治とカネ」の問題がクローズアップされている。こうした中、出馬の意向を示す元首相の細川護煕氏(76)も、かつて佐川急便からの借り入れ問題で結果的に内閣総辞職に追い込まれた。細川氏側は22日の正式な出馬会見で、国民の信頼を裏切ったとして陳謝する方向で調整している。 ◇ ◆知事選前の提供 「経緯は猪瀬氏の辞任と酷似する」。平成6年の細川内閣の崩壊の際、衆院予算委員会で佐川急便からの1億円借り入れ問題を追及した元通商産業相で、自民党都連最高顧問の深谷隆司氏(78)は振り返る。 細川氏が1億円を借り入れたのは昭和57年9月で、熊本県知事に初当選する前。政治資金収支報告書への記載はなかった。野党側は「選挙の裏金だったのではないか」と厳しく追及。一方、猪瀬氏の現金受領も一