九電やらせ報告 何のための第三者委なのか 電力会社とは、どこまでしたたかなのか。殊に異彩を放つ九州電力である。 佐賀県にある玄海原発の再稼働をめぐるやらせメール問題で、九電が国に提出した最終報告は、自ら設けた第三者委員会の核心的な指摘を無視する途方もない内容だった。 第三者委は、不祥事調査の透明性と中立性を確保し、信頼回復につなげるために設けたのではないか。相当の経費も払ったであろう。消費者から吸い上げた利益を、組織護持のためだけに無に帰すとは言語道断だ。調査途中で関係書類を廃棄するなど、企業倫理のかけらもない。 むしろ九電は外部調査の限界を逆用した感さえある。第三者委を尊重する体裁をとって社会の監視の目を緩め、最後に反論と補足を加えて会社の独自見解を押し通す。こんな手法が横行すれば、日本企業の法令順守の取り組みは信用されなくなってしまう。 やらせの舞台は、今年6月に国が主催した県